「頭がよくなる！ 寝るまえ1分おんどく366日」 実際の効果とデメリットは？

絵本の読み聞かせは、忙しくても大事にしたいことの一つ。

とはいえ、お風呂上がりから寝る前はバタバタで「早く絵本を選んで！」と子どもを急かしてしまったり、「今日は時間が遅いから絵本はなしで！」なんて日もあるのが現実です。

毎日の絵本選びや読み聞かせの時間をちょっぴり効率よくしたい！ また、長女が5歳なのでそろそろ“読んでもらう”から、子ども自身も“読む”主体的な時間を過ごしたい！ と思うようになりました。

今回、注目の音読本「頭がよくなる！ 寝るまえ1分おんどく366日」（西東社）をレビューします。

★こんな人におすすめ
・絵本の読み聞かせがちょっぴり苦手
・毎日の絵本選びが大変
・読み聞かせを効率よくし、効果を実感したい
・読み聞かせから一歩進んで、子どもにも読む習慣を身につけてほしい

「頭がよくなる！ 寝るまえ1分おんどく366日」とは？

毎日1分音読するだけで「読めば読むほど頭がよくなる本」として、話題のベストセラー（累計発行部数28万部）。

脳科学者で小児科専門医の加藤俊徳先生が監修しており、子どもの脳発達に合わせたリズムの良いさまざまなジャンルの言葉が366日分収録。脳科学の視点から音読の効果を高めます。

まず表紙をめくって【はじめに】と【1分音読の効果】の4ページを読むだけでも、音読がいかに脳の発達によいのか、なるほど～と深く納得！

ここを読んだだけでも十分価値がある！（笑）。親のやる気も高めてくれます。

「頭がよくなる！ 寝るまえ1分おんどく366日」、気になる効果は？

すーちゃん【5歳7か月】、ひらがなカタカナを読めるとはいっても、「ね、る、ま、え…」と１字1字たどたどしく読むレベルで、すらすらとは無縁。

数か月このような状態なので、流れるように読むにはある程度読書量をこなす必要があるのかなと思っていました。

絵本好きなすーちゃんなので、これは食いつくはず！ と思って、さっそく本を渡して音読しよう！と誘うと…

本やイラストをパラパラ見せて、気に入ったところから一緒に読んでみることにしました。

①1分で音読完了→本当！

本当に1分で終わる？と半信半疑でしたが、ひらがなカタカナほぼマスターの初心者レベルでも本当に1分で終わります。

このちょっと物足りなさが絶妙で、「できた！」と子どもの自信にもつながるのかなと思います。

同書の対象年齢は4歳～8歳で、ページが進むにつれ難易度もアップ。ざっと全体を見ると、最初の30日はほぼ変わらぬ文章量だし、以降もとてもゆっくりレベルが上がっていくので無理なくこなせて、少しづつ上達できそうです。

あっさり読み終わるので、本当にこの量でいいの？と心配になり、何度も読んでもらいたくなるので要注意。

すーちゃんに「もう一回読んでみる？」と聞いて、本人が「やる！」と気乗りした時だけ復唱して、飽きずに長続きするようにしています。

②区切りが読みやすい→毎日続く

ページを開いてまず思ったのは、文章の見やすさ＆読みやすさ。

小学校の低学年向けの教科書にならった「分かち書き」表記で書かれているそうで、単語や文節の間にスペースが空いているので、子どもでもパッと見で言葉のつながり・切れ目がわかり、読みやすい工夫がされています。

最初は相変わらずたどたどしく読んでたすーちゃんも、文節のまとまりとスペースを意識して【続ける・切る】とメリハリをつけて読むようアドバイスしたところ、続けて読める一節も少しだけ出てきています。

1語1語切りながら読むのは、そもそも言葉の切れ目がわからないのが原因の1つかもしれないですね。

③名作との出会い→興味の幅が広がる

毎日の音読で、名作の一節や、詩・短歌・俳句、古典、言葉遊びなど、さまざまなジャンルの言葉に触れることができます。

普段目にすることのない名作や言葉が一冊にまとまって網羅されており、興味や好奇心のきっかけになることも。子どもと一緒に親も名作との出会いが楽しめます。

すーちゃんは宮沢賢治の「かぜの又三郎」の“どっどど～”という風のおとの一節が面白かったようで、この続きは？ と興味津々。残念ながら私も知らないので（笑）、今度一緒に図書館で本を探してみます。

④発想力を磨くヒントも

特にいいなと思ったのが、ページ下部にある「おたのしみ」欄。ここには音読文章の内容からさらに発想力や思考を広げるヒントが書かれています。

例えば「〇〇の名前を考えてみよう」、「〇〇はどんな気持ち？」など具体的な質問が書いてあり、子どもが自分の頭で考えるきっかけに◎。内容や場面を理解していないと答えられない質問なので、読解力も把握できます。

正直、質問に対して自然に話が弾む時もあれば、「えーわからない！」と言って答えない時も。正解はないので、“とりあえず自分の意見を言ってみる”練習をしています。

「頭がよくなる！ 寝るまえ1分おんどく366日」デメリットは？

欲を言わせてもらえれば、本をもう少し頑丈に作ってほしいです。

表紙が柔らかくてペラペラなので、使い込むうちにボロボロにならないか心配です（表紙が柔らかいおかげで、本に厚みがあってもめくりやすいのですが）。

妹のさっちゃんも「見せてー！」と本の端を引っ張ってきたり、姉妹で「私が本を持つ！」とケンカになることもあるので、もう少し頑丈なつくりだと安心です。

まとめ

「頭がよくなる！ 寝るまえ1分おんどく366日」は、とにかくコスパがいいです。

さまざまな名作とあらゆる言葉に出会えるだけでも十分、満足度が高いです。毎日の絵本の読み聞かせで悩んでいる人には、まさに探していた1冊でしょう。